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厚生労働省は7日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として抗ウイルス薬「レムデシビル」を特例承認したと発表した。国内初の新型コロナウイルス治療薬となり、重症患者を対象に使用する。
レムデシビルは米製薬会社のギリアド・サイエンシズが開発した点滴薬。同社の日本法人(東京)が4日、承認を申請した。厚労省は、緊急時に迅速に審査する医薬品医療機器法の特例承認制度に沿って手続きを進めた。
同社は全世界で約14万人分(患者1人に10日間投与する場合)の供給を表明している。日本国内の医療機関に届く時期は未定だが、厚労省は病院ごとの必要量を把握し、重症者向けに優先的に分配する方針だ。同社による供給は無償の予定。
レムデシビルはエボラ出血熱の治療のために開発されたが、新型コロナウイルスの増殖を抑える働きが期待されている。米国での臨床試験では、患者の回復までの時間を約3割短縮する効果が確認された。一方、腎機能や肝機能の低下などの副作用が出る可能性がある。
加藤厚労相は記者団に、「一日も早く治療薬が(患者に)届くよう最善を尽くしたい」と述べた。
また安倍首相は、主に軽症者向けに新型インフルエンザ治療薬のアビガンを新型コロナウイルス治療薬として、月内に承認することを目指す考えを示している。